囁く、愛
「
愁ちゃん?」
声のする方を向くと、愛しい君の目と目があった。
「どした、るか?」
少しの沈黙の後、君は立ち上がりソファに座ってる俺の前に膝をつき俺を見上げた。
そんな君の綺麗な瞳に、俺の心臓は反応しドキドキが止まらない。
「るか……?」
見上げるばかりで何も言わない君の名を呼ぶと、君はふわりとした笑顔に変わり
「愁、愛してる」
立ち上がったと思ったら、俺の耳元で愛を囁いた。
「な、っ……!」
いきなりの愛の告白に、俺は頬を染める事しか出来なくて。
そんな俺を見て、
琉架は笑っていた。
「んふふ、愁ちゃん可愛い」
「っるせ…、可愛いなんて言われても嬉しくねぇよ」
赤い顔を隠そうと、君の綺麗な目から顔を反らしたいのに、君の目は俺を捕らえて離さない。
いや、
「愁ちゃん? どーしたの、そんなに見つめてきて?」
目が離せない。
「るか」
「ん? わっ……!」
「ベッド……行こうか?」
前にいた琉架を一気に引き寄せ抱き締めた。
そして先ほどとは逆で、君の耳元で囁くと。
「…愁ちゃんの、ばーか」
真っ赤な顔をして、ぎゅっと俺の首元に腕を巻き付けてくる琉架がいた。
全ての行為を終え、俺の横で気持ち良さそうに眠ってる琉架。
「愛してる」
愛しい君の目。
それは俺にとって最大の、媚薬。
End
write 10/02/27