与えてくれたのは色
暗い暗い闇が続く 歩いても走っても 座っても立っても 泣いても笑っても 一面は黒一色に変わりはない ここがどこかなんて関係ない ただ、色が無い世界に怯えた 何をしても何も起こらない、不動の世界に怯えた だってこれじゃ 自分の存在が無のように感じるから…… 色のない不動の世界 何より恐ろしい、無の世界 「……と、や」 「ん?おはよ、星 」 あぁ、温かい………… 一滴の涙を流して目の前の彼に抱き着く。 それは、自分の言葉に返答があった事への嬉しさと。 「たくさんの色をありがとう」 黒一色だったパレットに、明るい色を与えてくれた感謝の気持ちから。透也 は涙を拭ってくれた後に何言ってんだよ、って笑ったけど それでいいんだ。 あなたに全てを話すのはお互いのパレットに 大事な大事な一色が芽生えた時だから…… そう、 “信頼”という一色が―― Endwrite 10/03/11